Handmade  ~ Lure ~

Bond

ボディの張り合わせに絶対使う接着剤。
結論から言ってしまえば色々ある中でボディの張り合わせに限って言ったら以下の2つを使ってます。
タイトボンドⅢとセメダインCです。

ルアーはキャストしてるうちに気が付いたら、ヒビが入ってた、テールが欠けてた等々、そんなことはよくあります。
ヘッド側やテール側は破損によって木肌が向き出しになりやすいので、なるべく耐水性の接着剤をお勧めします。
では、タイトボンドⅢ VS セメダインC、、、いったいどちらを使えばええの?
と言われたら。。。 
どっちでもえんでねぇの(良い意味でね)。
なんですが、強いて上げるとすれば、
セメダインCは硬い故に割れやすいように感じます。
タイトボンドⅢも硬いけど強く爪を押し付けると後が付きます。
テイルをストラクチャーへ直撃した際、多少の差は出るのかも知れませんが、どうなんでしょ ?
ⅢもCも充分硬いけど、Ⅲの方が強度はありそうです。
Cは充分過ぎるほどの実績がありますが、Ⅲは只今お試し期間中。
はっきりとした違いを感じて明らかにコッチがお勧め!
と、思うことがあったらまた書かせて頂きます。
Ⅲはお試し期間中ではありますが、現時点で言ったらどちらを使っても間違いない!
とだけ書いておきます。
以上はあくまで主観です。
気になる接着剤の特性を知り、自分に合ったものを見つけて見てください。
ボディの張り合わせに検討したり使ったことのある接着剤をご紹介して置きます。

ご参考までにハンドメイド全体まで広げると瞬間接着剤、紫外線硬化型接着、2液性エポキシ接着剤も必需品です。
  

1. 木工用(コニシボンド)
・酢酸ビニル樹脂系エマルジョン型
どちらのお宅にも普通にありそうですが、最大の欠点は著しく水に弱いこと。
そして塗装の乗りも良くないように感じます。
はみ出した部分をふき取っても木の目に入ってしまいますよね。
特にバルサは目が粗く入り込みやすいんです。
目に入るとそのまま残って乾燥してしまい、その部分はコーティングや塗装の食い付きが悪くなります。
それからあまり神経質になる必要はないとは思うけど、酸性であるところが気になる人は気になるところでしょうか。
構造線はステンレスワイヤーだから錆びにくいけど、張り合わせる際にべっとりと塗りますからね。
更に硬化後も柔らかい為ヤスリは掛けにくいです。
その上熱にも弱く摩擦熱が上がってくると削れるというよりボロボロ崩れるような感じになってしまうことがあります。
そしておよそ50%水分の為 「やせ」 が出ます。

以上のことからルアーに使ってもあまり良いことはありません。
 

 

2. ピーアイボンド(オーシカ)
・水性高分子イソシアネート系
こちらは建築現場では定番中の定番、オーシカのピーアイボンド(2液性)。
この種の接着剤は接着力と耐水性で高評価。
でも1.15kgと量が多過ぎるので二の足踏んでます。
ただプロの現場での実績は十分あるし、超耐水性ってのは魅力。
いつかは試してみたい接着剤です。

ちなみに、これ以外考えられないと言ってるビルダーさんが居ましたが、なんとなくわかる気はします。
 

 

3. タイトボンドオリジナル(フランクリン社)
・脂肪族エマルジョン系
こちらは知る人ぞ知るギターのリペアでは定番、
フランクリン社の木工用ボンド、タイトボンド オリジナル。
超強力でネックのヒビや折れなど見事に復活。
「これが無いと仕事にならん!」 だそうです。
こだわりの家具職人さんの間でも愛用者は多いようです。
耐水では無い為こちらは使ったこと無いけど参考までにUpしてみました。
 

 

4. タイトボンドⅢ アルティメイト(フランクリン社)
・架橋型酢酸ビニル樹脂系
これはタイトボンドの耐水バージョン、タイトボンドⅢ アルティメイト。
お値段はタイトボンドの倍近いけど、耐水性なのでルアーにはこちらをお勧めします。
耐久性、耐水性に優れているため屋外に設置する家具に使われることも多いようです。
現時点での最強の木工用ボンド!
と、豪語されてる家具職人さんもいらっしゃいました。
FDA認可なので木製の食器などにも使えます。
あたしの木工細工の必需品。
こちら、只今張り合わせお試し中。
硬化後は適度な硬さがあるのでヤスリ掛けもしやすいです。
あと塗料の乗りも悪くないように思います。
接着強度はここに上げてる接着剤の中では断トツです。
ルアーにそこまでの接着力は必要ないでしょうけどね。
 

 

5. タイトボンドⅡ プレミアム(フランクリン社)
・ 架橋型ポリビニルアセテート樹脂系
こちらは参考。
こちらも耐水性、タイトボンドⅡ プレミアム。
これまた食器にも使えるし、
接着力も緑ラベルのⅢに近いくらい強力です。
お値段も赤ラベルのオリジナルと同じかちょっとお高い程度。
決定的な違いは耐水性能。
ⅢもⅡもANSI(米国規格協会)のHPVA(米国広葉樹合板&突板協会)の耐水試験をクリアしてます。
でもⅡはタイプ2ですが、Ⅲはさらに厳しいタイプ1をクリアしてます。
じゃⅢより全然お安いⅡでえんでねぇの?
なんだけど、近所にあるホームセンターではどこも
オリジナルとⅢしか売ってません。
おそらくⅢがⅡの後継といった位置付けのようなので、Ⅱは既に普通に流通してないのかも知れませんね。
通販だと販売されてるけど送料考えたら問題外。
そんな理由からⅢを使ってます。

ちなみに、タイトボンドⅡ エクステンドってのもありますが、こちらはⅡのオープンタイムを長くしたものです。
但しこちらは小さいサイズを見かけたことありません。
 

 

6. エポキシ接着剤/90分硬化型(コニシボンド)
・ 2液性のエポキシ樹脂系
木工用って訳じゃ無いけど信者は多そうですよね。
5分硬化型もあるけどこちらの方が接着力と耐水性に優れてます。
ボディはもちろんリップの接着までオールマイティに使えます。
こちらを張り合わせに使っても、強度、耐水性共に全く問題ないと思います。
ただ使ってて感じたことは、2液性ってのは意外とロスが多いなぁ、ってこと。
それからとても面倒に思えてきました。
やっぱ1液に越したことはねぇぞってことで、ボディには使わなくなっちゃいました。
但しリップの装着は色々試してみたけど、今のところこれが一番気に入ってます。
ボディの修復にも状況によっては使います。
 

 

7. セメダインC(セメダイン)
・ セルロース系
こちらは幼いころからお世話になってます。
強度も耐水性能も申し分ありません。
色々語らなくても歴史が物語ってますね。
硬化後は硬くなるのでヤスリ掛けしやすいです。
下地にはセルロースを使ってますが、このセメダインCにもセルロースが20%含まれていてよく馴染むために使うことが多いです。
ただし有機溶剤が75%なのでかなり「やせ」が出ます。
張り合わせには絶大な信頼を置いてます。
個人的な実績はこれが一番ですが、でも気持ち臭いです。